Archive for the '川' Category

お待たせしました。
だいぶながい間「品切れ」だった小社のベストセラー『川の地図辞典 江戸・東京23区編』ですが、増刷がようやく出来ました。
初版から4年ぶりの大改定版です。
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ISBN番号や価格(本体3800円)はこれまでと同様です。
ぜひ書店でご覧下さい。
地域の図書館には、この三訂版を備えていただけるよう、リクエストをお願いします。

当該書品切れとなって4カ月、お待たせしておりますが、先般ようやく「三訂版」の校正原本ができました。

ということは、これから印刷所で訂正して、それを校正・チェックし、それから印刷・製本ですから、出来て7月末。
「もういいよ」という声も聞こえてきそうですが、そうして、少々増刷したところで、経費上マイナスとなったらどうするのか、
という声もあるのですが、銀行から借入れをして、「三訂版」はつくることにしました。

なにせ、実際「もうすぐできます」と蕎麦屋の出前のようなことを言ってきたわけですし、「並」ではない本をつくる
版元としての意地がある。

申しわけありませんが、どうかお待ちください。

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図は、訂正原本の一部。
もちろんもっと「赤」の入ったページもあるし、そのままのページのほうも多いのですが、「地図」だけでなく「辞典」の
ページも結構訂正がある。

地域の「地盤」や「古環境」を知るには、この本が最適であることは、知る人ぞ知るなのです。

地域の図書館は、「最新版」を必ず備えてくださるよう、どうか「初版があるから結構」と言うことのないように・・・

collegio

川について その1

都市河川を考える前に、水そのものについての考察が必要だということに遅まきながら気がついた。

川を流れる水はどこから来るのか?
都市化以前の自然河川では、その根源は雨水であり、またそれによって涵養された湧水であって、それ以外ではない。

現在、都市を流れる水は、じつにさまざまな出自というか径路をたどってきた水である。
そうして、都市の「川」とは何を指して言うのかということ自体が単純ではない。

今日、その多くが暗渠というより公共下水道に変身したかつての「川」は、川と言えるのだろうか?
現在の公共下水のほとんどは屎尿・生活排水と雨水の合流式であるから、その意味では川は「死んだ」のだし、「再処理水」という名の「清流」が流れる水路も、その水面に顔を近づけてみればたちどころに判然とするように、既に「川」ではない。

さかのぼって、江戸時代には「下水」とは「上水」に対する言葉であって、通常は自然河川そのもの、あるいは人工の雨水排水路、灌漑用水の余水路であるから、その限りでは都市の「川」そのものの別称でもあった。

現在の都市に川を「復活」するためには、まずは屎尿・生活排水と雨水の流路分離が必要である。
分離された雨水は、豪雨時の溢水対策として、また災害時の利水、そして地下水涵養のために、都市のサイズに応じた、都市地震の内部に設置される、いくつかの湖水に導かれる必要がある。
そのための導水は、ポンプすなわち電力に依存しない自然流下式のものでなければならない。
ポンプはあくまでも補助的な役割を担ってもらうものでなければならない。