10月 29th, 2012
Archive for 10月, 2012
10月 29th, 2012
10月 17th, 2012
百年、千年、万年
というと、松竹梅か鶴亀にまつわるお目出度話のように思われるかも知れないが、
実は思考のパースペクティヴの話。
最近、また書評をたのまれて書いたのだが(掲載紙発行後当ブログでも発表予定)、
レトロや懐かしのイメージのある「昭和」は、
実は、「明治維新」以来進行した「破壊」が、頂点をきわめた時代だった。
何の破壊かというと、「地方」ないし「地域」の、自立と自尊の破壊。
「3・11」はその破壊の舞台裏が、あからさまに露出した事態にほかならなかった。
百年単位、でみるとそういう「透し図柄」が浮上してくる。
これを、千年の視点に転換してみると、現在はその最大破壊を経て、中央集権の「解体過程」に入りつつあることがわかる。
つまり、沖縄は離反し、東北そのほかの地方は、それぞれ「中央」に懐疑と不信をつのらせ、自立に向わざるをえない。
それゆえに、「中央政府官僚」とその提灯持ちは、ナショナリズムに訴えて、中国や韓国と反目の演出をすることに躍起となる。
これを「万年」単位でみれば、結局人間というのはかくも愚かである、という話になる。
あと1万年後に、そもそも「日本」や「日本語」、「中国」や「中国語」、「英語」自体も存在しているとも思えないのだが。
10月 13th, 2012
不幸列島の人々(「天皇」と「国民」)
天皇皇后は、本日2012年10月13日、東京電力福島第一原子力発電所から30キロ圏内にある、福島県双葉郡川内村を訪れるという。
総理大臣野田佳彦が10月7日におこなった同発電所の不自然にして唐突な「視察」は、まったくの「露払い」だったわけだ。
事故収束、安全宣言の最大の「カード」として、天皇皇后の現地訪問は、原子力ムラ中枢によって、大分以前から企まれていた。
その候補地が、「奇跡的に汚染線量の低かった」川内村であって、帰村宣言や小学校入学式、運動会の折ごとに、パスチャーターによる巨大な報道イベントが組まれ、大々的に全国報道されたことは、記憶に新しい。その最後最大の山場が、この日なわけだ。
大山鳴動ネズミ一匹、結局のところ原発体制を維持することだけに腐心する、官僚と政府そして産業界の一部等等が存在する以上、
天皇皇后は川内村に慰問に行くべきではない。
川内村は30キロ圏内であるのに福島市よりも郡山市よりも汚染度の低い、いわば「例外中の例外」であって、そこは原子力ムラにとっては
してもいない「収束」の格好の宣伝場である。
天皇皇后が、「除染視察」という「安全ショー」に駆り出される。
天皇皇后も不幸だし、それ以上に日本列島に住む人々、まして汚染された土地から追い立てられた、何万人という人々はもっと不幸である。