部落はなぜつくられたか ― 茨城県の部落史

部落はなぜつくられたか

本田豊著『部落はなぜつくられたか ― 茨城県の部落史』
ISBN978-4-902695-31-1 C3021
B6判 196ページ 地図・索引付
並製 本体1200円+税


地域史研究の最前線に身を投じ、30年以上にわたり
日本列島約4000ヵ所以上を調査・踏破してきた著者が
ここに明らかにし得た、東日本の被差別部落起源!
<見返し明治期地図2点。巻末地名索引付>



目次

第一章 茨城県の部落の現状とその特徴……………1

石田三成と部落/東北地方にも部落は存在する/茨城県の部落数と人口/今も根強い部落に対する差別意識/多くは消えてしまった非人部落/利根川と部落/長吏とは誰か/かはた呼称は部落とは無関係/洪水と竹林の関係/サンカと言われた人々/非人として扱われた江戸時代のサンカ/以前の墓地は土葬だった/板碑を持つ墓地もある/豪華な墓石もある部落の墓地/部落には大地主もいた 

第二章 茨城県の解放運動……………………………45

水平社の拠点は旧総和町/茨城県下の解放運動の困難性/茨城県解放運動は古河から開始された/行政は何もしなかった/五霞町では融和事業が行われた/解放運動を活性化させた高松差別裁判

第三章 近代文学と被差別者…………………………69

序文は夏目漱石が書いた/部落史の視点で読む/女性は学校に通っていなかった/根深い間引きの習慣/シャボン玉は間引きの唄/梅毒を引き受けさせられた女性たち/土葬が一般的だった茨城県/犬はさかんに食べられていた/猫も食べられていた/馬喰という商売もあった/瞽女さんという芸能者もいた/冠婚葬祭には乞食もきた/古河には遊郭があった/大問題だった軍隊内の花柳病/漂泊の芸能者/差別された芸能者/非人の仕事は役所がやるようになった/部落は古墳の警備はしていない/後に尾を引く洪水の被害/藁葺や茅葺屋根は燃えやすかった/「下人」に対する差別  

第四章 白山神社は語る………………………………123

東日本の部落には白山神社がある/白山神社は弾左衛門の支配地域に建てられた/水の神である白山神社/白山神社の建物は大小様々/白山神社は弾左衛門支配の確立記念に建てられた

第五章 部落はなぜつくられたか……………………143

部落がつくられたのは理由がある/落ち武者伝承/県下各地の具体像/境町/五霞町/旧真壁町/結城市/旧総和町

茨城県地名索引 



本田 豊(ほんだ・ゆたか)
1952年埼玉県生まれ。部落問題論、被差別社会史論専攻。元東京都立大学人文学部講師。部落史関連著書は『部落史を歩く ―ルポ東北・北陸の被差別部落』(1982、柏書房)『白山神社と被差別部落』(1989、明石書店)『被差別部落の民俗と伝承』(1998、三一書房)『戦国大名と賤民 ─信長・秀吉・家康と部落形成』(2005、現代書館)ほか多数。

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