Archive for 9月, 2024

collegio

近 況

高温高湿日々奄々、如何お過ごしでしょうか。
たまには近況をと、以下雑文をしたためます。

一昨年より身辺に訃報いや増すの状況。
対して「墓要らぬ骨は捐(す)つべし冬銀河」などと嘯いていましたが、夫と同じ墓には入りたくないと都立霊園に応募したら倍率70倍以上、けれども4度目の正直つまり4年がかりで抽選に当たったという方の話を聞き、当たらなくてもともととインターネットで申し込んだところ、一発当選。
公益財団法人東京都公園協会からのメールでした。
ただし貧乏人用の「合葬墓」で、女房と二人分の生前応募。
使用料(埋葬料)11万2千円、毎年の管理料はゼロの区画です。

都立霊園には、青山、谷中、染井、雑司ヶ谷、多磨、小平、八柱と7カ所あって「公園」を兼ね散策に相応しい。
ただし「使用料」(年間の管理料は別)はこの順に安くなる。
つまり青山霊園がいちばんお高くて、見栄を張るには880万円以上が必要です。
こちらがあたったのは至近の小平霊園の芝生(合葬墓)で、小平霊園は40年以上昔の日曜日は娘を自転車にのせてよく行ったところ。
園内65万平方メートルのなかには植木等さん、小川未明さん、加藤周一さん、角川源義さん、壷井栄さん、宮本百合子さん、有吉佐和子さん、伊藤整さんその他大勢眠っていらっしゃる。
私の好きな「さいかち窪」の森(黒目川の源流)もある。

ついては腰折れ「震災忌墓は合葬手配済」。
「合葬」は上野の彰義隊戦争を描いた杉浦日向子の漫画のタイトルでした。
あれは文字通りの傑作でしたね。

傑作には程遠いですが、7月末を8月末に延ばしてもらってやっと仕上げた拙著は遅くとも来春には本になるでしょう。
題して『武蔵野地図学序説』(角川文化振興財団発行『武蔵野樹林』に連載したものを改訂増補)。
版元は創元社です。
半世紀以上前に陸奥国分寺域から出て来て、武蔵国分寺近辺に居付き、最期は武蔵野の骨に混じるわけです。
それまでに、もう何冊か。
そして霊園散歩も。