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川について その1

都市河川を考える前に、水そのものについての考察が必要だということに遅まきながら気がついた。

川を流れる水はどこから来るのか?
都市化以前の自然河川では、その根源は雨水であり、またそれによって涵養された湧水であって、それ以外ではない。

現在、都市を流れる水は、じつにさまざまな出自というか径路をたどってきた水である。
そうして、都市の「川」とは何を指して言うのかということ自体が単純ではない。

今日、その多くが暗渠というより公共下水道に変身したかつての「川」は、川と言えるのだろうか?
現在の公共下水のほとんどは屎尿・生活排水と雨水の合流式であるから、その意味では川は「死んだ」のだし、「再処理水」という名の「清流」が流れる水路も、その水面に顔を近づけてみればたちどころに判然とするように、既に「川」ではない。

さかのぼって、江戸時代には「下水」とは「上水」に対する言葉であって、通常は自然河川そのもの、あるいは人工の雨水排水路、灌漑用水の余水路であるから、その限りでは都市の「川」そのものの別称でもあった。

現在の都市に川を「復活」するためには、まずは屎尿・生活排水と雨水の流路分離が必要である。
分離された雨水は、豪雨時の溢水対策として、また災害時の利水、そして地下水涵養のために、都市のサイズに応じた、都市地震の内部に設置される、いくつかの湖水に導かれる必要がある。
そのための導水は、ポンプすなわち電力に依存しない自然流下式のものでなければならない。
ポンプはあくまでも補助的な役割を担ってもらうものでなければならない。

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