Do not stand at my grave and weep,
I am not there, I do not sleep.
I am a thousand winds that blow;
I am the diamond glints on snow,
I am the sunlight on ripened grain;
I am the gentle autumn’s rain.
When you awake in the morning bush,
I am the swift uplifting rush
Of quiet in circled flight.
I am the soft star that shines at night.
Do not stand at my grave and cry.
I am not there; I did not die.

この原作者不明の詩に、新井満さんが訳詩作曲したのが、ご存じ「千の風になって」(2003年11月発表)です。
原詩はしっかり脚韻を踏んでいるのがわかりますね。
11月1日の講演会の第1章「風-見えないもの」のなかで、以下のような私訳をご披露しました。

吾が墓に立ち 泣くなかれ
吾そこに居ず 眠り居ず
吾は吹く風 千の風
煌(かが)よいはじく 雪の色
穀物(みのり)差し入る 日の光
はた やはらかな秋の雨
汝(なれ)里の朝 目覚めなば
吾はすばしきアマツバメ
音なく円く 天翔ける
吾また夜映(は)ゆ 澄める星
吾が墓に立ち 泣くなかれ
吾そこに居ず 吾死なず

ご覧のように、私の訳は七五調ですが語彙としてもそこそこ原詩に忠実、雰囲気もしっかり再現したつもりです。
「風」は、「死」と「不在」を象徴するもの、同時に「万物」:Universeの暗喩で、こうした「死」あるいは「不在」を唄うのは英詩の伝統なのではないかと思われるのです。

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