ここに至って、漸く「神保町草創の地」にたどり着いたようです。

岩波書店のサイトによれば、創業は1913(大正2)年8月5日。岩波茂雄が神田高等女学校(現在の神田女学園)を前月に退職して「南神保町16番地」に開いた古書店がそもそものはじまりと。
「南神保町16番地」ならば、靖国通りに面した現在の「岩波ブックセンター」のあたり。
その後夏目漱石の自費出版と言われる『心』を契機に岩波は出版業に転じて順調に業績を拡大し、手狭になった編集部を現在本社ビルのある地に移転して「一ツ橋事務所」と称したのが1929(昭和4)年10月9日。
この一ツ橋事務所の建物は、旧東京高等商業学校(現一橋大学)の校舎の一部で、それは三井が寄付したものだったため、俗に「三井ホール」と呼ばれたとは有名な話。

「東京市神田区」(東京逓信局、大正9年)の一部
「東京市神田区」(東京逓信局、大正9年)の一部

そもそも「一ツ橋」地区にあった東京高等商業学校が多摩地区の国立(当時谷保村)に移転するのは1927(昭和2)年から1930年にかけて。この移転を仕掛け、「仕事」としたのは堤康次郎率いる箱根土地株式会社です。
旧高商移転にあたって、移築不可能のこの建物は一旦寄付した三井に返還手続きがとられ、箱根土地がこの一帯を更地にして分譲することになりました。
当然この建物も解体の危機に瀕したわけですが、どういうわけかこの建物を生かした分譲に変更されて、岩波がそれを入手していますが、それがどのような経緯かはわかっていません。

ともあれ、岩波の本拠地となった旧東京高等商業学校の校舎は遠藤於兎設計1916(大正5)年竣工の2階建ながら鉄筋コンクリートビル(3階部分を戦後増築)。ちなみに遠藤の代表作として著名な建物に「東京日日新聞社ビル」および「三井物産横浜ビル」がある。
昭和4年の秋からは、そのエントランス上部に漱石揮毫の「岩波書店」の額(現在岩波書店の新聞広告で目にするもの)が掲げられていたのでした。
旧「三井ホール」跡地には、現在の岩波本社ビル裏手(表?)の14階建岩波書店一ツ橋ビル(1993:平成5年竣工)が建設されています。

現在私たちが親しい「岩波」は、この神保邸跡の岩波本社・一ツ橋ビルではなく、靖国通りに面した「岩波ホール」や「岩波アネックス」ビル1階の「岩波ブックセンター」でしょう。
「岩波アネックス」のあたりが岩波書店草創の地ですが、1981年に竣工したこの8階建賃貸オフィスビル「アネックス」の建設基礎工事にあたっては、水が湧いてきて困った、とは岩波OBが同僚から聞きおよんだ話。

2 Responses to “【古地図を旅する】 本の街・神保町徘徊 その9”

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