6月 5th, 2017
縄文の月や岬に貝の水
昨日2017年6月4日の東京はおだやかな晴天の日曜日。
東芝エレベーターのPR誌「FUTURE DESIGN」(季刊)の連載記事取材で、いつものように和服の堀口茉純さんとスタッフ計4人、田町駅から品川駅まで歩いた。
高輪を通る古東海道(尾根道)と海食崖をテーマとして案内したのだが、どうでしたろうか。
一応、私が堀口さんの「師匠」という想定になっているらしい(彼女が文章でそう書いている)のだが、だとすればまことに心もとない師匠である。
なにせ相手は殺陣や日本舞踊をきわめ、江戸文化歴史検定(1級、ガイド資格も有り)、実用英語技能検定2級,中国語検定3級,ドラえもん検定博士号で、あの膨大な『徳川実記』は何遍も通読している(らしい)つわもの。
検定や資格に縁ないというより試験や勉強が嫌いな当方としては、足元を見透かされているような気分である。
ともかくも、午後1時、田町駅の喫茶店ルノアールで集合、打合せして出発。
ルートは
札の辻→元和キリシタン殉教碑(住友不動産ツインビル、ラ・トゥールの奥の斜面緑地内)→御田八幡神社脇の階段(比高14.3cm×100段)→亀塚公園→三田台公園→高輪大木戸跡→幸田文旧居跡(三井家跡地:現NTTデータ三田ビル本館下)→高輪牛町標識(願生寺門前)→高輪二丁目16番地の崖(撮影ポイント)→泉岳寺(門前のカフェ・ゴダールの甘酒で休憩)→伊皿子坂→承教寺(二本榎の碑、英一蝶墓、「件」の狛犬)→ブーランジュリーセイジアサクラ(パン屋。カレーパンなど購入)→高輪消防署二本榎出張所前(高輪原の古戦場?)→桂坂→洞坂→東禅寺→高輪公園→品川駅
最後は品川駅近くの喫茶店ルノアールでまとめ。ルノアールにはじまりルノアールに終わったが、ルノアールの絵にはついに無縁。
亀塚公園は古墳あり、『更級日記』の竹芝伝説の地とも言われ、お隣の三田台公園には縄文時代の貝塚の剥ぎ取り展示や住居の説明展示もある。
タイトルに掲げた拙句は、三田台公園にちなんだもの。「季刊」雑誌であるため、秋の季語(月)とした。
このあたりは潮見崎・袖が崎・大崎・荒蘭崎・千代が崎・長南が崎と並び、江戸七埼のひとつ「月の岬」の地。
縄文時代のある時期までは2、3㎞先の崖裾を波濤が崩し、江戸時代には水平線から月が上るのを目にし得たのである。
もっともうれしかったのは、華頂宮邸敷地であった折の井戸が現役で三田台公園に存在していたことである(写真上)。
説明板(写真下)には、水面まで7.5m、水底は12mと。
台地の尾根筋にしつらえられた浅井戸だが、水はいまでも十分に汲み上がる。
関東大震災の折には大変役に立ったという。
現在、行政が管理する手動井戸の注意書きには「飲用不可」が一般的でこの説明も同様だが、その後に添えられた但し書きのほうはまことに適切である。
芳賀ひらく様
はじめまして。
株式会社ガイアックス・TABICA事業部の川中子新貴と申します。
「江戸の崖 東京の崖」「地図のてオロギア」などの著書を拝見させていただき、とても面白い活動されていたので、何か一緒に活動できなかと思い、ご連絡さしあげました。
少しだけ、弊社の紹介をさせてください。
TABICA は「すみかを旅する」という意味で、「旅を通して人と人をつなげる」というコンセプトをもとに、自然体験やワークショップ、街歩きやインバウンド事業を行っております。
地域の人が地域を案内する人との交流を最大に楽しんで頂けるような様々な体験イベントを企画しておりまして、
現在10000名を超えるお客様に愛用いただいております。
(TABICAホームページ:https://tabica.jp/)
TABICAを通して、芳賀様の視点から見る街をゲスト様に伝えられたらと思っております。
TABICA事業部 川中子新貴
yoshiki.kawanago@xstartup.jp
もし関心を持っていただけましたら、上記の連絡先まで、ご連絡いただけると幸いです。
また、お電話ご都合のよろしいお時間を複数いただけたらと思います。
また、こちらからお電話させて頂くこともあるかと思いますのでご承知ください。
是非、芳賀様とご一緒できればと考えております。
この機会に、今後とも宜しくお願い致します。
TABICA 川中子
芳賀ひらく様、
好いご縁がつながりそうなメッセージの後に例の難癖を付け加えて申し訳ありません。
堀口茉純という人が「つわもの」だという表現に引っ掛りました。「彼女」とも表現しているので女性だと思いますが、そうすると「つわもの」には違和感を覚えます。『夏草や兵どもが夢の跡』の兵(つはもの)でイメージしているのは男どもだけでしょう。
殺陣をきわめているという点を強調すれば差別語の「男勝り」でしょうが、それを除けば田中優子並の「女史」程度でいいかとも思います。もっと強意するなら「女傑」、もっと強ければ「丈夫」(ますらお)に対する「女丈夫」、さらに「女将」の音読み等が考えられます。
彼・彼女は人=男の女性差別「語」論ですが、芳賀さんのような痩せの大食いを「大食漢」と言っても奥さんを「巨漢」と表現することは事実如何にかかわらず原理的に不可であるのと同様眼精差別「用語」の問題であり、つわもの=男は歴史的事実に基づく価値判断ナシの「語用」だと思います。
はいー、つはものどもの夢の跡ですが、どうでしょうか性差を抜け出した用例があったような・・・、ないか?