1月 1st, 2013
ベアテさん
ベアテ・ゴードンさんが、12月30日に亡くなった。
いま日本の「政界」で、「憲法」が岐路に立たされているような観があるが、彼女が、65年つづく「戦後の日本」に大きな貢献をしたことは、消えることのない事実である。
そのことに、あらためて感謝し、ご冥福をお祈りする。
多言は無用であろう。
ニュースは下記のサイトを参照されたい。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130101-00000003-asahi-soci
また、ベアテさんがいかなる人物であったかは、次のサイトが詳細に語っている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%A2%E3%83%86%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%B3
私は、以前の会社で編集長をしていたときに、下の本のタイトルを考案しただけであった。
それでも、ベアテさんとご主人やお子さん夫婦が来日した時も親しくさせていただいたし、日本でたびたび講演なさった時も何度かお邪魔したことがある。
いつ接しても、彼女の人間的な温かさに触れて、穏やかな気持ちになれたものだ。
扇ナントカという宝塚出身のタレント政治家が、参議院議長だったときだったか、ベアテさんに、「あなたのおかげで日本の女性は、美徳を失ったのではないかという意見もあるが・・・」と質問にもならない愚問を発したとき、ベアテさんはにっこり笑って、「でも、別の憲法だったら、あなたもこうしてはいられなかったかもしれませんね」と返事したと(詳細は忘れたが)いうエピソードを直接聞いたおぼえがある。
いま、わたしたちができることがあるとすれば、「ベアテ基金」のようなものを設立することだろう。
それが、「今の世にある」、わたしたちの、精一杯の「自己表示」なのだ。
ぼくは、寡聞にして、映画「日本国憲法」ではじめてベアテさんのことを知りました。
2週間であの条項をまとめたことを批判する連中がいることは、容易に想像できます。
しかしそれは、国民とりわけ女性の人権が軽視されていることへの問題意識と理想が彼女のうちに確立していたことを示すものでしょう。
いかにも扇千景らしく、ベアテさんらしい逸話ですね。
またしても惜しい人を失うと、代わりの人間なら、いくらでも神様に推薦してあげるのにと思わざるをえません。
コメントありがとうございます。
本文には書きませんでしたが、彼女と孫たちは皇居に呼ばれて美智子皇后と親しくお話されたということも直接聞きました。
逆説的になるのですが、近年の「傾向」にもっとも危機感を抱いているのは、江戸城に住んでいる人かもしれないなと思っています。