11月 30th, 2011
近 況
9月某日
東京電力から補償金請求案内が届く。
1 今回の補償金について
2 本冊子における用語の定義
3、4、・・・と続く、悪評高い160ページ近くの説明書と請求書、同意書の数々。まず自分たちがどのカテゴリーに入るかを分類することからして一仕事だ。そこから一ヶ月ごとに、
A 避難所、体育館、公民館
B ホテル、旅館、ご親戚宅、仮設住宅、賃貸住宅等
C 自宅
のどこにいたのかをチェック、これが「避難生活等による精神的損害にかかる請求明細」。
移動は「同一都道府県内の移動」なのか「都道府県を越える場合の移動」なのか。
それは「自家用車による移動」なのか「その他の手段による移動」なのか。
「家財道具移動」も同様のチェック。
「標準交通費一覧表」が「自家用車」「その他の交通機関」用が宅急便の料金表のようについている。
「一時立ち入り」は何月何日だったのか、「都道府県内移動」だったのか、「都道府県外移動」だったのか・・・という具合に事細かなチェックが60ページ近く続く書類が一人に一冊ずつ。
それに、あとは文句を言いません、という同意書。
領収書、事業所・病院などの証明書を添付。
そしてそれらが認められれば、仮払いとの精算になる。
精算の結果が仮払補償金を下回る場合はゼロとなる。
避難せずにじっと耐えていた人達に補償はほとんどない。
これ、経費扱い?
原発事故の避難は東京電力の社員の出張と似たようなものですか?
なぜこんな間違いに気付いてもらえないのでしょう。
賠償してもらいたいのは、放射能の恐怖と被害に、肉体的、精神的にさらされてしまったこと、
築き上げてきた生活が一瞬にして切断されてしまったこと、
その先の見えない暗闇に対してであって、
“避難と休業の経費のお支払い”ではないのです。
呆れる。
・・・・・
以上は、東京電力福島第一原子力発電所から30キロ圏内にある、川内村の知人のたよりにあったものの転載。
ちなみにわが社の在庫置場(倉庫)は、その川内村にある。
十年以上前に別荘として購入したものだが、今となってはそれを売ることも担保にすることもできなくなった。
別荘や倉庫は補償の対象外だという。
そこに住んでいない我々としては、逆に、村人の避難先に義捐金をもって訊ねなければならないと思い、実際、事故一ヶ月ごにそうした。
しかし、東京電力は、史上最大級の環境犯罪の現行犯である。
その当事者に、こうした「身の程知らず」な態度をとることを許している政府は、その存在理由が問われることになるだろう。