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トーキョー・シロアリ

とりあえず、弟夫婦は無事だった。
以下、そのブログの転載。
「電気が来ました。
みなさん御心配おかけしました。
川向こうまで水が来ており、あの、数百人の遺体があるけど回収できない地域です。
なのにかろうじて川のこちら側は助かったようなものです。
沢山のひとが家を失って、本当に心苦しいです。
我が家では長男が、気仙沼の小学校の教員で、まだ、連絡が取れません。
女房がしばしば泣いていますが「あいつのことだから、大丈夫」、と励ましている所です。
食べ物とガソリンが不足し、空いてる店には長蛇の列、我が家では買い物は控え、極力あるもので対応しているところです。
とにかく不幸中の幸い、ただし長男は・・・
状況が落ち着くのを待つばかりです。
御心配いただいているみなさん、ありがとう。」

ところで、先刻発表された首都圏停電の「輪番表」をみてみると、停電から外されている区は、私の読み違えでなければ、千代田区、中央区、新宿区、港区、文京区、墨田区、江東区、渋谷区、中野区、北区、江戸川区の11区となる。
つまり、「中央」は停電させない、ということ。
考えれば当たり前、というひとがいるかもしれないが、それなら「輪番制」ではない。
東京の「真中」を外すというなら、それをまずはっきりアナウンスして、皆が平明に納得できるよう、説明しなければならない。
原発事故で、「大丈夫、心配ない」ばかりくりかえして、国内外の視聴者に逆に疑惑をもたせてしまう「大本営」記者会見しかできない、何とか長官や保安院、東電の担当者、NHKなどのご用学者と同じで、「触れないで済まそうとするところ」に核心がある。
そもそも、電力逼迫の元となった、東電の原発が、どうして東京ではなくて福島県の海岸縁に集中してあり、どうして何万人もの住民が、自分のところに何の恩恵もない(電源協力費とやらを東電は無理やり押しつけているのだが)危険極まりないシロモノをネジこまれ、挙句の果てに「避難」させられなければならないのか。
そうして、人口3000人の福島県双葉郡川内村が、とりあえずの被爆可能性10キロ圏内に一部引っかかりながらも、人口1万5000人を超す隣の富岡町からの避難民を預らなければならない矛盾。
停電で不便をかこつトーキョーが、自らの特権階層性を当然としている奇怪。
公害のミナマタ、基地のオキナワ・・・・、原発の××・・・(決してトーキョーではない)。
これは、「日本」というできそこない国家の構図なのだ。
結局のところ、トーキョーというピラミッドの「頂点」を繁栄させるために、周辺はそれを支えるために、存在する、奇形国家。
つまり、個人レベルで言えば、頭のいいやつは、「中央」で「身を立て」、そこに座を占めて中央権益ピラミッド維持のために腐心する。
これでは「国家」の態をなしえない。本来、「中央」などよりよほど豊かな可能性をもつ地方という樹木を喰い物にする、「トーキョー・シロアリ王国」でしかない。
つまり、常に地方反乱、分離独立の契機をはらむのであって、原理的に、お隣の共産党中央独裁国家を批判できないのです。

2 Responses to “トーキョー・シロアリ”

  1. iGaon 14 3月 2011 at 9:08:45

    はい、首都臨海部に超高層タワーマンションが一棟完成すると、幾つの限界集落が消えて行くのだろうと感じないではいられません。まさに負のトレードオフです。
    そして、その超高層タワーマンションの住民も地面から引き剥がされ、空中に追いやられた難民なのです。空虚なオール電化生活を謳い文句に他の代替エネルギーの開発に横やり入れ、詐欺紛いの悪質なセールスを行なった東電は糾弾されるべきでしょう。

  2. collegioon 14 3月 2011 at 10:05:30

    コメントありがとうございます。
    たしかなことは、水や電力を、巨大システムに依存しない方法を、戸別に実現していくほかないと思っています。
    たとえそれが、原発から30キロ圏以内の川内村であっても。
    というか、チェルノブイリ級の事故がおこったら、日本中逃げるところはないので、放射能を浴びた野菜でも魚でも、食べていくほかないでしょうね。

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