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江戸の崖 東京の崖 その22

[ピタゴラス]
NHK教育テレビ放映「ピタゴラスイッチ」は4~6歳児対象なのですが、大人も文句なしに見ていられる数少ないテレビ番組です。
「ピタゴラそうち」という、ビー玉ころがしドミノも毎回楽しめますし、「ぼてじん」なる、とぼけたキャラクターもいい。
「アルゴリズムたいそう・こうしん」も、スーツに身を包んで行進する体育会系お兄さんが、毎回同じ動作をするけれど見ていて飽きない。
「ピタゴラスイッチ」というネーミングも嬉しい。
ところで、崖の高さを計測するのは、けっこう難しいものがあって、例えば神田川のキリギシの高さなどは、錘付紐を垂直に垂らすのが一番だけれど、そのような足場がない。あっても一般が立ち入れない。
これは日暮里の鉄道線路際の垂直壁面でも同じ。
何でも電気の現在(いま)だから、なにか道具があるはずと思っていたら、新聞の新商品紹介欄に、携帯型レーザー距離計があった。
レーザー光線を利用して、対象地までの直線距離と水平距離が計測できる。
何のための商品かというと、ゴルフショットの弾道見当用なのですね(ただし公式競技には使用できない)。
けれども水平距離と直線距離だけでは崖の計測にはならない。角度か高さのいずれかがわからないと、「三角形」は描けないのです。
しかし、携帯型レーザー距離計でも「ピタゴラス機能付」というのがあったのです。つまり高さも、角度もわかるものが。
これはよいかなとメーカーに訊いてみると、やはりゴルフ用だけあって、その場合は最短でも水平距離10mが必要と。それでは身近な崖の計測には利用できない。
探索の果ては、あたりまえだけれど、結局はプロ用、つまり土木・建築用測量である、ピタゴラス機能付レーザー距離計にたどりつきました。
けれども、結構なお値段のそれを、手に取って試す機会には、まだ恵まれていないのです。
そうであれば、やはりアナログ。電気道具に頼らず、昔懐かしいクリノメータ(手作りの職人さんがいなくなっているそうです)や、折尺。歩測(手測や目測、身長測を含む身体測量)、階段測量、そしてピタゴラスの定理からのアバウト計算こそが、崖マニアには相応しいといえるのです。
デジタル(自動)であろうと、マニュアルであろうと、ピタゴラスはピタゴラス。

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