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江戸の崖 東京の崖 その20

この11月30日の内閣告示から、公用文や新聞にも「崖」という文字を使用することが「可」となりました。
いわゆる改定常用漢字です。
戦後間もなく日本語の表記規範とされた「当用漢字」(昭和21年内閣告示)1850字、およびその後ややゆるやかな表記「目安」とされた「常用漢字」1945字のなかにも、「岸」や「涯」はあっても、「崖」という文字は外されていて、いわば文字の「ママコ」扱い。今度の追加196字のなかに入りこんだ裏にはどのような判断があったものか。
常用漢字という考え方自体は大正12年、昭和6年、昭和17年とそれぞれに結節があったようですが、そこも多少の穿鑿をしたくなる。
いずれにしても、このブログのタイトルにも堂々と「崖」という文字が使えるようになってオメデタイわけですが、それでもすでに公文書では「急斜面」のほうが普及していて、今後も「崖」を見かけることはあまりないと思われます。
「崖」という文字、そしてその「音」はつまりは「情動的」であって、タテマエ上アイマイを嫌う公文書にはなじまないのですね。

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