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上掲の初版は12年前の2011年5月、再版は2018年の2月であった。
当初はそこそこに話題を呼んだものが、いかんせん泡沫出版社の力では書店の棚を確保できず、在庫を抱えることになった。

ところが今月10日の「日経新聞」読書欄で吉見俊哉氏がとりあげ、問い合わせが相次いだ。
評者はさすがに目が高い。
巷に溢れる「柳の下にドジョウ十匹」の暗渠案内本等には目もくれず、当該書のみの紹介に終始した。

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問い合わせとは在庫の問い合わせである。
記事を見て気になった向きはすぐにネットを調べたのだろう。
アマゾンに在庫なし、とされていればそれで諦めた人が多かったかもしれない。
以前は取引もあったのだが、なにせ「正味」が6割で、送料は版元持ちであるから、販価は事実上本体価格の半額を割る。
システムトラブル(?)にも対応がよくわからず、メールで問い合わせをしても一向に返事がない。
電話問い合わせの窓口はどこにもない。
莫大な利益を上げているグローバル企業であるのに、それに見合った「サービス」体制も設けず、ひたすら利潤を目指すばかりで、税を納めたり社会に還元している様子もまったく見えず、むしろ逆である。
結果的に、アマゾンとは取引しないことにしたのである。

とにかくこの本は在庫があります。
書店を通じれば購入できるし、もちろん直接注文も受け付けている。

評者はこの本を「労作」と評価したが、昨今の「売筋本」は中味が薄すぎ、本来「本」たりえるものではないのである。
取り外して持って歩ける、「折込地図」を付録としたお買い得「本」です。

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