3月 2nd, 2020
恐るべき隠蔽
コロナウィルス対応で、休校による混乱ばかりが話題となっているが、実はそれは大した問題ではない。
現政府がいま力を注いでいるのは、感染者の把握ではなく、その真逆の隠蔽にほかならないからだ。
中国から提供された検査キットも活用せず、検査体制を国立感染症研究所に限定化し、韓国より1桁以上少ない1日1000人未満の検査体制にして感染者数値の上昇を妨げている。
不作為(意図的なサボタージュ)手法による、情報操作である。
2日、WHOからその積極的な対応が評価された韓国からは、大統領のウィルス対応協力の呼びかけがあったのだが、もちろんアベとそのお友達および子分たちは馬耳東風をきめ込んだのである。
このような小手先技は、国際的な信用失墜に直結する。
信用失墜はしかしクルーズ船の例ですでにはじまっていた(「日本政府の対応は、公衆衛生危機の際に行ってはいけない対応の見本」ニューヨーク・タイムス)。
情報操作と隠蔽はそもそもこの連中の十八番、「政治家」としてもっとも腐心するところなのである。
もしいままともな検査体制が敷かれ稼働していれば、初期対応失敗の結果として日本列島の感染者数は間違いなく桁外れに上る。
隠れ感染者や公表されざる感染スポットは、すでに身近に存在するかも知れないという疑心は当然である。
極東の列島の愚かな政策と対照的に、同極東の島台湾では、真摯にして迅速、賢明な感染症対策が功を奏し、支持率をも飛躍的に上昇させた。
中国は多大な犠牲をはらい、ウィルスの蔓延をほぼ湖北省内に封じ込めつつある。
列島におけるの感染者捕捉のサボタージュ状態がつづくならば、オリンピックどころの騒ぎではない。
「コロナ」と指さされ、軽侮されつつ隔離ないし排除されるのが日の丸国とその住人となる可能性はきわめて高く、それはすでに始まっているのである。
公衆衛生上の対応策は、結局のところ感染源(感染者)を発見(特定)し、それを公表周知させ、ゾーニング(隔離・封じ込め)することに尽きる(『感染地図―歴史を変えた未知の病原体』) 。繰り返すが、隠蔽はその真逆である。
「行ってはいけない対応」は、この愚かな政権を許すかぎりつづくのである。
【追記】
マスコミも隠蔽の実態にようやく触れるようになった。
以下は朝日新聞デジタル版2020年3月4日22時22分の記事の一部である。
「新型コロナウイルスの感染を判定するPCR検査をめぐり、日本医師会は4日の記者会見で、医師が必要と判断しても保健所が認めずに検査を実施できなかった例が全国で30件あまり確認されたと明らかにした。(略)新型コロナウイルスのPCR検査は現在、感染症法に基づく「行政検査」とされ、保健所が認めないと実施できない。日本医師会によると、保健所が認めなかった理由は「重症ではない」が5件、「濃厚接触者ではない」が1件などで、大半は理由が不明という。」
芳賀様、
お説に異を唱える心算はありませんが、学校関係にいた者として少しばかりコメントお許しください。
全国小・中・高等学校休校という不意打ちは失策だと思いますが、それ以前に手順として暴挙と言わざるを得ません。小・中・高荷は営々と築かれてきた保健室・養護教諭、学校・学級閉鎖制度が確立した防疫システムとして機能してきたのです。学校には、学校図書室・館はなくとも保健室はあり、学校図書館司書はゼロに近くとも「養護の先生」は必ずいて、左遷で異動された児相職員や威張るしか能のない「生徒指導部」の教員よりずっと親身に児童・生徒の心身の面倒を見てくれています。ライブハウスの薬物依存者は把握できませんが、24歳の養護教諭でも全校生徒の心身状態を100%把握しています。「個人情報」は定年待ちの校長にも継げないだけの気概を持っています。
1300万人の活発な子供たちを町中に放り出した安倍、こういった実情は知る由もなく理解の外だったでしょう。
いじめさえ隠蔽できる日本の学校は、軍隊以上に子供を隔離・閉鎖・管理できる、防疫上最強の施設なのです。クルーズ船の乗客は早く過疎化による廃校に隔離・管理し、児童・生徒は自宅内不登校を除き強制登校させるべきところ、逆の策を採ったのです。
安倍が今最も恐れることは牢屋行きです。辞職・辞任までは腹痛に耐えても甘受できるかもしれませんが、第二の角栄になる肚はありません。東京地検がホテルに捜査の手を入れ、領収書(控え)なり見積書・契約書を押収すれば桜のクロは簡単に立証できます。それを皮切りにモリ・カケも大阪・広島地検がやろうと思えば容易に犯罪立証できます。アウトです。ですから、何としても検察を抑えること、これがコロナで1000人死んでも絶対必要なことです。黒川もこれだけ馬鹿にされたらさっさと辞表を書けばいいものを、安倍が許しません。
で、目くらましにコロナ対策の「リーダーシップ」を執って喝采を浴び、桜等から話題をそらさなければなりません。そこでターゲットになったのが文部省。モリ・カケの文部案件で抵抗した前川を失脚させて筆頭子分の萩生田を頭に据えて、忖度イエスマンで固めた文部省に向かった「独裁復活の大号令」を口走ってしまったのです。
この時点では、「大学入試改革」で福武に蜜を吸わせ損ねて赤っ恥を掻いた萩生田も上記の学校現場の実態を理解して「待った」をかけようとしたようですが、冷静さを失った裸の王様安倍親分は筆頭家老の忠言を聞く耳を持ち得なかったようです。
前川、退官してから結構暴露的発信をしています。今夏の事態について、その昨夜のツイッターから。「やっぱり新型コロナウイルスは、アベ政権にとって神風だ。「緊急事態」で国民の支持を取り付け、野党の追及を鈍らせ、野党の足並みを乱すことにも成功している。桜を見る会の私物化も、前夜祭の公選法違反疑惑も、東京高検検事長の違法定年延長も、国民の関心の外へ追いやられてしまった。」