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10月 20th, 2018
10月 20th, 2018
鳥尾坂 —誤認あるいは虚構について その1
鉄砲坂とは、都内に複数ある同名の坂の一種で、幕末の風雲急なる時期の速成大筒場に関わる地名である。
東京都文京区目白台三丁目と関口三丁目の間には、音羽の開析谷壁を西側へのぼる傾斜角20度に近い狭隘な急坂があって、坂下には「鉄砲坂」の説明板が建てられている。
その鉄砲坂の半ばから南にトラバースすれば、「文京区立関口台公園」に至るが、公園から神田川の谷側つまりまた南に下る階段をたどるとそこは比較的幅広い坂道で、今度は「鳥尾坂」の説明板を目にすることができる。
この説明書きを俎上に乗せるのであるが、時間の関係もあって今回はとりあえずその文言を写真で示すに止める。
「校正」という基本プロセスを予算化する習慣のない、お役所文書に付きものの誤記誤植の一例だが、誤りは文章だけ見ていてはわからないだろう。
動物一般がもつ空間・地図認知は、人間の言語・文字認知以前の基層である。
言語・文字認知(虚構の一種)が、始原的な空間・地図認知を軽視あるいは無視することによって誤謬に陥るのはよくあることで、これもその一例である。