イカモノ

使っていた醤油差しは、ガラス製で丈夫そうなのが気に入っていた。
それがある日突然口が開かなくなった。
いわゆる擦り口ガラスがくっついてしまって、湯を掛けても、水に浸しても、どうにもならない。
諦めて、100円ショップで陶器製の小さな醤油差しを買ってきた。
100円にしてはちょっとしたデザインかなと思った。
ところが、使ってビックリ。
だらだら垂れて、底辺を半めぐりして醤油が落ちてくるのである。
買うときにちょっと懸念はしたが、まさかこれほどまでに使えないシロモノだとは思ってもみなかった。
差し口の穴がとんでもない位置に付いているである。
シロモノどころか、烏滸(おこ)モノ、つまりはイカモノである。
このようなものを、造らせるモノも、売らせるモノも痴れモノである。

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