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気付いている人は多数ではない。
しかし私たちの行途には、実は「3つの崖」が待ち受けている。

ひとつはもちろん「何時」かはわからないが、将来確実にやってくる巨大地震。
これは地球内部上層の物理的メカニズムであって、なんびとも否定しえない。

しかし、次の二つは「人為」現象であるけれども、どこかで「制御不能」となり、いわば本番と実験・実証が同時に進行するため、
また政治的、経済的意図から、さまざまなめくらまし「ポルノグラフィ」がまき散らされているため、大部分の人は気づかない。
日常にまぎれて、曖昧にし、あるいは高をくくっている。

そのひとつは、近い将来現実のものとなる可能性の高い、「円」と「国債」そして「株」の暴落(日本トリプル安)である。
1000兆円を超える、世界に類をみない巨額な「政府借金」(国債)。
それを次々発行し、日銀に買い込ませ、おもに土木・公共事業にカネを投下。
以前と変わらぬ土木国家に逆戻り。
しかも、以前にもまして、国家経済破綻に向け、急激なアクセルを踏んだ。
10年を経ずして、その評は「戦後最も愚かな内閣」(タロットカードの「フール」)ということになろうが、しかしその内閣を成立させ、「支持」したのは、「国民」である。
愚かなピープルが選んだ愚かなガバメントは、自らを維持するために、「国家」そのものを破綻させる。

「日本人ツーバーフォー説」というのがあって、ツーバイフォーの角材で頭を叩かれないとわからないのだといわれるが、3・11つまり「第二の敗戦」で叩かれたはずが、目覚めはごく少数で、大部分は逆に昔の「夢世界」に退行、一部には「ひとりヨガり」(ナチまがいのレイシズム)が蔓延している。
足元を見ずに。
列島における「エレミアの時代」というべきか、トーキョーは「バビロン(バベル)の都」というべきか。
いずれでもあろう。

「トリプル安」はハイパーインフレに直結する。
街では真っ先に食べ物が消える。
ガソリンが高騰し、食料品店前だけでない、ガソリンスタンドにも車の長い列が並ぶ。
「秩序ただしい国民」のはずが、あちこちで深刻な諍いと「事件」が発生し、行政や警察は無力であるか、もっぱら「中枢」に対応するものであることが明らかとなる。
そうして、年金生活者をはじめとして、何万、何十万人という自殺者あるいはアル中という緩慢な自殺者が発生するだろう。
ソ連崩壊後のロシアのような「新興国」ではないし、そもそも資源もない、食料自給率も極端に低いから、「地獄」からの脱出は容易ではない。

そうして3つ目は、次第に明らかになってきた、原発事故の結果の真の怖ろしさである。
「数年後」に、爆発的な形であらゆる疾病が発生すると言われていたが、内部・外部被曝の影響はすでに東京圏にあっても顕著になりつつある。
たとえば《http://blogs.yahoo.co.jp/ht_sue/31177432.html》を参照。

政府や医師会、そして「電通」が「安全安心講話」を投入し、「風評被害」と言い張り、統計を操作して隠そうとしても、隠しおおせるものではない。
それは大人も子どもも、皆「血液」を検査すれば明らかになることである。
白血球のなかの好中球(neutrophil)の減少。

はじめは、「なかなか風邪が抜けない」といった「現象」として。
何度確認してもしすぎることはないが、人工核分裂生成物被曝に、行政が言うような「基準値」、すなわち「これ以下だから大丈夫」という「閾値」は、実は存在しないのである。
放射線を扱う技師が注意を払うように、些細な被曝でも、避けるべきである。
われわれは、すでにそのような「世界」(「放射線管理区域」と同等の)に生きているのである。

東日本にいれば、この3番目はすでにわれわれが直面している現実である。

これら3つの崖はそれぞれ微妙にことなった構造をなしていて、第1と第3は「地域性」をもつ。
それはとりわけ第3の崖について顕著である。
だから「世界」は、この第3の崖については、「モデルケース」として注視しているだけである。

しかし第2の崖は、この列島に限った話ではない。
経済とは、ある意味で「心理学」である。
そうしていま、世界経済は「信用」という虚構のうえに成り立って、しかも通底・連動している。
トーキョーは虚構の最たる例で、まさに「バベルの塔」のごとき観があるが、もし円のトリプル安が現出すれば、それは世界中に波及するのである。
そうなったら、主要国は破綻した国の経済に介入しないわけにはいかない。
極端に言えば、政権は崩壊というよりその責を問われ、列島は「第二の占領時代」に突入するのである。

「東京オリンピック」どころではない。
しかも皮肉なことだが、もしわれわれが「第1の崖」に先に逢着して、東京をはじめとした巨大都市圏が「相応に」破壊されれば、あるいは第2の崖の現出は遠のくかも知れないのである。

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