掲句「夜の風鈴」(「自昭和三十九年至昭和四十三年」)所収。
当該句の前に「マリが住む地球に原爆などあるな」「浪打の倒れむとして引くも春」の2句あり。

「マリ」句に「わが敬愛する人の長女十二歳誕生日」と詞書(ことばがき)を付す。
今日都市部に稀なる郵便丸ポスト背にしたる子もマリか。健在なれば現今60代も後半ならむ。
然してその父「わが敬愛する人」は、白泉、沼津市立沼津高等学校赴任して12歳を過ぎたればその同僚なるか、詳らかにせず。

「マリ」12の歳より半世紀以上を経、原爆・水爆・原発まして地に遍(あまね)く、列島に新「元号」施行されんとする晩春、愚かさ募りて万愚節三鬼忌にしたためし変形拙歌下掲座興とす。

昭(あきら)けく和して骸(むくろ)の三百萬そのおほかたの渇(かわ)き飢ゑ果つ
いま令(れい)されて和してどうなる

極東の島王エムペラ名乗らせて芋侍ら元号(ゲン)を擔(かつ)ぎて

【評林・白泉抄30】

Comments RSS

Leave a Reply